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2025/01/17 22:52 |
母国

9時起床。あらら。

支度をしてさっそく、洗濯物を持って徒歩15秒(近)のコイン・ランドリーへ行った。
洗濯と乾燥を待っているあいだ、その目の前の椅子で「ナルニア国ものがたり」の英語の本を読んで待っていたのだけれど、何か、すっごく外国っぽい感じがした。外国と言えばコイン・ランドリー、みたいな。実際は日本にもたくさんあるのに。インターナショナル・スチューデント・ハウスに住んでいた時も、コイン式の大型洗濯機があって使っていたけれど、部屋にすぐ戻れるので大した違和感はなかった。フラットに住んで、コイン・ランドリーに行ったのは初めて。雰囲気を楽しんだ。1時間ほど。

練習をしていたら、チャイムが鳴る。洗濯機の修理の人が来てくれた。はやーい。

タオル大きいの2枚、なべ2つ、ゴム手袋、クリーニング剤が欲しいなど、その彼からいろいろリクエストがあるので、その人の横について、はいはいと準備をする。
DSC07079.JPG
頑張れ、洗濯機。(笑)

横にいてじっと見ていたのだけれど、その間その人と雑談をしていた。話したことは…。

彼はケニアに生まれて、7歳の時にインドに移りボーディング・スクール(寄宿学校。彼はその単語を説明するのに「あー、スリーピング・スクール。」と言っていた。分かりやすいな・笑)に通い、11歳でイギリスに来て、もう40年くらい経った、と言っていた。ケニアでは家族では英語のみだけど、ハウス・キーパーなどサーヴァントに話すのはスワヒリ語、インドに移ってからはヒンディ語を習い、ギリギリで卒業したらしい。
「たまにケニアに帰るの?いずれは戻って生活したいと思う?」と聞いたら、「全然思わない。生まれたけれど、母国だと思えない。どうしてかな。」と言っていた。スワヒリ語も小さな時はとても流暢に話していたのに、今覚えているのは「ジャンボ(こんにちは)」と「ハバリ ガーニ(元気ですか)」くらいらしい。イギリスの血はないけれど、自分はもうイギリス人だと思う、とも。現に彼は永住権を取得しているし、まったく生活に問題はないとのこと。
母国って、生まれた場所ではなくて、生活している場所と時間、なのかな。それとも、家族がいる場所?
彼はいろんなものを、きっと、見た。そういう内容の話だった。

「ところで君はいくつ?」…来た。「今年27です」と言うと、「君きみ、嘘をついちゃいかん。」と怒られた。「その顔じゃバーにもどこにも行けないじゃないか、IDが必需品かぁ、何とまぁ可愛そうな娘よ」と相当の悲観もされた。失礼な(笑)

そして、そんなことを話しているうちに、故障の原因が分かる。排水用パイプ・内部のモーターに挟まっていたのは…。

私のヘアピンっ!!!しかも2本っ!!!きゃーあぁぁ…

「今度から洗う時はポケットを確認しなさい。」

…100%、私の責任だった。ということで、洗濯機は完全復活しました。
そして、片付ける間も、話す。「中国人や韓国人と間違えられたら、君は怒るのかい?」と聞かれて、「否定するだけです。」と答える。怒る場合って大体は、間違えられた国が好きじゃないか、日本人であることに相当の誇りを持っているかのどちらかなので、私はそうではありません、と。道で外国人に冷やかし気味に「ニーハオ」と言われたことがあって、「アニョハセヨ」と返したことを話したら、とても笑っていた。

1時間後に全て終了。

帰り際、彼は、「音楽を頑張りなさい。そして、せっかく身についた英語なのだから、日本に帰った後も決して忘れずに、勉強し続けなさい。」とアドバイスをくれた。最後に、私から習ったばかりの日本語、「サヨナラ。」を言って帰っていった。
短い時間だったのに、いろいろなことが頭に入った気がした。また洗濯機が故障しない限り、私がヘアピンに注意する限り、もう彼には会わないと思うけれど、本当にありがとう。
いろんな人が、たくさんの生き方の人が、この地球にはいるんだ。大勢の人に会えないことを嘆くのではなくて、一人でも会えたことを喜ぶ。ケニアに行かなくても、ケニアは近くなった、というか…。

ずっと間近で修理を見ていたので、洗濯機の仕組みも大体分かったし、今度排水できなくなったら一人で直せそう♪…しないけど。(笑)


2時半から練習再開。
6時からのトライアウトクラスに行き、夜9時前に帰宅。

明日は9時からレッスン。夕方6時から再び学校でヴァイオリンの合わせがある。

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2009/05/06 07:44 | Comments(1) | 未選択

コメント

まさに一期一会ですね。
人間の大先輩にとても大切なことを教えてもらいましたね。
ビートルズのイマジンを思い出しています。国境も宗教も無く、世界を分かち合って生きていけたら、どんなにか平和で居心地の良い地球ではありませんか?
あなたは、僅かな時間ではあったけれど、本当にいい時間を共有できて幸せね。

年齢相応に見てもらえなかったのは、ピノコと同じね、クリピノコさん。
「今に見ておれー、中身だけじゃあなく背も伸びてやるからー!」
「わかった、わかった。音楽も英語も続けるんだよ!」
こんな会話も聞こえてきました。
posted by memekoat 2009/05/06 13:33 [ コメントを修正する ]
Re:無題
クリピノコ…。極小じゃんっ!それにねー、ピノコはお腹の中に18年いたから18歳以上と言っているだけであってー…ブツブツ…(笑)
言語と文化、何よりも人間の持つ知恵(良悪)によって、隔たりが無くなるのは難しいだろうと思います。一番共存が難しい動物は、もしかしたら人間と人間、かもね。
「出身は?」「地球です。」
MIBに捕まってしまいます。
2009/05/06 20:47

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