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2024/05/17 03:22 |
別逢

フランス・エヴィアンから帰ってきた。


フランスに一週間行ったのに、実はパスポートに「フランス入国」の印は一つもない。強いて言うなら、エヴィアンから送ったポストカードにあわよくば印鑑が…(笑)
ロンドンからジュネーブ(スイス)に飛んで、そこからタクシーで1時間ほどでエヴィアンに着く。途中国境を超えたけれど、もちろんパスポートを見せる場所もなく、レマン湖沿いにずーっと行くだけ。そのエヴィアンで、今年3度目になるサマーコースが終了。
えー、「だらだら日記」を書こうと思う。(笑)


まずはサマーコースの一言感想。
あまり言葉にならないけれど…。毎日のレッスンがとても素晴らしいものだったし、パスカル先生のレッスンは一応これで区切りがつくので、私もかなり必死だったのは確か。最後のコンサートではショパンのバラード4番を弾いたけれど、その曲については今までで一番良い演奏ができたと思う。留学生活最後の演奏がこういう風に終わったことを、とても嬉しく思った。
ちなみに、今回の参加者は、日本人3名、中国人3名、イタリア人2名、スイス人2名、スペイン人1名の計11名でした。写真はのちのちアップしていきます。


そして、実際コースとはまったく関係のない、帰り道の話。
帰りの飛行機はスイス航空11時発でロンドンに直行のはずだったのだけれど、搭乗して離陸を待っている時に、アナウンスで「この便は機器系統の故障によりキャンセルになりました」…。きゃー。
2時間待って別の飛行機をアレンジしてもらったのだけれど、ルフトハンザ航空でフランクフルト乗り換え、のちロンドンに入るというものだった。友達と、「私たち、最後の最後になんでドイツに行くんだろうね。」と呆れて笑っていた。ドイツの一時入国のスタンプはパスポートにある。
実際ジュネーブから3時間後にロンドン到着の予定が、13時間以上の大移動になってしまった。スーツケースもジュネーブにあるままだったので、次の日に家に配達されるとのこと(実際、次の日の朝10時に届いた。)。身軽でよかったけれど、楽譜も本も化粧品もネックレスも何もかもスーツケースの中にあったので、ちょっと不安だった。私たちのスーツケースに関わってくれたすべての人たちを信じよう、と友達と言い合っていた。


夜9時頃、くたくたになって家に到着…と思いきや、改札を出た所ででなにやら迷子らしい、でっかいスーツケースを持った外国人の女の子発見…。案の定、私のところへ来た。「エクスキューズ・ミー…。」(笑)
英語の勉強をしに来て1ヶ月ロンドン滞在の予定なのだけれど、お世話になるホストファミリーの家の場所が分からない、と言う。セルビアから来た、19歳くらいの女の子。泣きそうになっていたので放っておけず、「大丈夫、たぶん近いから送ってあげるから、心配しないで。」と慰めてみた。彼女は、「セルビアからウィーンに飛んで、ロンドンに入って、右も左もわからなくて、疲れてるし、もうどうしたらいいか分からなかったの。」と言っていて、それを聞いているうちに、どういう訳か自分の疲れは吹っ飛んでしまった。この子の今のストレスに比べたら、英語も土地勘も分かる自分は、この子に力をあげるスペースが残っているはず、これはそういう状況だ、という気がした。「えへへー、スーツケースどっか行っちゃったけど、私も今日フランスから帰ってきたんだよー♪」とできるだけその子を明るくしてみた。実際、その時の私は明るかったと思う。
でも結局道が分からず、インド人らしき通行人に聞いたら、何とその男性、自分のiPhoneを取り出してgoogleで地図を検索してくれた。セルビアン・ガールと目を合わせる。親切だね、と。場所が判明すると、何故か、セルビアン、インディアン、ジャパニーズ3人で小さな珍道中を…。(笑)年齢も国籍も違う人たちが、どうして今ロンドンで一緒に歩くことができるだろう。すっごい面白かった。というか、私は結局何もしていないことに気づいた。(照笑)
彼女をホストファミリーのところまで送って、帰り道、インド人の人と少し話す。彼の住んでいるところは、私のフラットの3件先だった。もう、どんな一日なの!
そして彼は、「今日は仕事がなくてとてもつまらない夜で、外に出て散歩していたけれど、こういうことがあるもんだね。人の心はすごいものだ。神様はすごいものだ。素晴らしい夜をありがとう。」と言っていた。納得。

ようやく、夜10時になって、自分の家のドアを、一週間ぶりに開ける。ただいま。長い一日だった。


エヴィアンで、まずパスカル先生に(一応の)別れを告げ、サマーコースを一緒に終えた友達に別れを告げ(中にはこのコースで3年連続、2年連続で会った人も。自分が皆勤だから当たり前か・笑)、ロンドン到着後に、一緒に帰った友達に「私はもう聴けないけれど、来年の試験、頑張ってね。」と別れを告げた。「次に会う時まで、バイバイ。」と。そしたら、家の到着間近に、新しい人に2人も出会った。


家に帰って、すべてのことが思い出されて、泣きそうになった。でも泣かなかった。(笑)

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2009/07/05 18:30 | Comments(4) | 未選択

コメント

何とも信じがたい愉快な流れでした。
セルビアンは貴女に助けを求めて大正解です。インディアンがまた見事な助け方で感動しました。
大袈裟、なんていわないでください。これぞ見知らぬ中の連携プレイです。
最後に善いことに恵まれて、単なる偶然ではなさそう。インディアンが言った神様のプレゼントかもしれません。

しっかりお休みなさい。
帰ったら、リピートしてね!  愚か者より
posted by memekoat 2009/07/05 22:02 [ コメントを修正する ]
すごい大冒険でしたね・・・メインのエヴィアン以上に自分の街での出来事の思いがけなさ。
ちゃんと出版済みのエッセイを読んでるみたいに引き込まれました。
3件となりの奥様、じゃなくてインド人さん、セルビアの女の子と出会わなかったら近所だってことも知らなかったかもしれないね。
こういうこと、あるんだ・・・。

演奏家としてカヲルちゃんがどんな思いで演奏できたのか、一週間という短い期間での飛躍的な成長がどれくらいのことなのか、正直私には想像もつきません。察することもできません。(意味同じじゃん。笑)
というのは私自身が、それのような体感をしたことがないからです。

でも。
今、10日間ほどヴァイオリンが弾けない状況にあるけど、私は自分というものを再度認識し、適切な自己評価を新たに考える時期にあると思います。いつまで続くかわからないソレは休養とも停滞ともいえますが、多分そういう年頃なんでしょう。人から見れば、少しは頑張らんかい!さぼってんじゃねーよ!という状態なんでしょうが、私は自分を見限らないために、再構築するために、色んな視点から探して、自分を拾い集めてます。コレは音楽活動に何ら影響を及ぼさないためにも大事なことなのでしょう・・・と思い込むことにしています。

便乗してたらたら日記、書いてしまいました(笑) カヲルちゃんの「どっか行っちゃったー」を聞くといつもほっこりします。

それから、memekoさん・・・以前、どこかの掲示板で「世紀の大阿呆」かなんかというHNを名乗る人がいました。大変興味深い話法の持ち主で、お話も面白く理知的な人でしたが、返信するには「世紀の大阿呆さんへ」と書かなければならない訳であり、私は大層抵抗がありました。
通常、他者がどんなHNを名乗ってもそれに意見したりするのはネットマナーに抵触すると思うのでしませんが、このときはほんわかと言わせてもらいました・・・
世紀の大阿呆とはアナタのような人のことではないので、アナタをそう呼ぶのは私はつらいです。
もし良かったら、「ホームズJr.」とかになさいませんか?と。そうしたらその人は、そうですよね、他の人が呼びにくいってこと考えませんでした。ありがとう。と言って、別のHNに変えてくれました。覚えてないけど「宇宙に暮らす地球人」みたいな名前だったと思います。

長くなりましたが、つまり、愚か者じゃない人に愚か者と名乗られると悲しくなる人もいます。ソコまで考えての言葉ではないのでしょうけど、貴女のどこが愚かですか・・・もしもそうなら私は愚か者を心から崇めてることになっちゃいますけどイイんですか?(笑)
posted by leonat 2009/07/06 02:22 [ コメントを修正する ]
言い訳では有りません。
インディアンが別れ際に「人の心はすごい。神様はすごいものだ。ありがとう」

この言葉を真正面から発しているのです。
その方にとって、その日の自分の心持ちに納得できないものがあったように感じました。
一日が終わろうとするその夜、自分の意思で外に出たら、思わぬ状況に遭遇し、迷子の二人を、即座に手助けし、解決させ、そのことでインディアンは気が晴れなかった一日に感謝でき、明日に繋げられるような、エネルギーを蓄えられたのではと感じました。
そのエネルギーは自分だけでは到底得られなかったものだ、と実感したのでしょう。だから「ありがとう」なのです。
それなのに、私は自分の聴く楽しみのために帰ったらリピートしてね、と平気で
おねだりしたのです。これは賢い人の頼みとはいわないでしょう?だからでした。
人間、等身大が大事よね。
レオンさん、どんな私でも受け入れてくれるならうれしい。And vice varsa.
posted by memekoat 2009/07/06 09:16 [ コメントを修正する ]
んー。わかるようなわからないような(笑)
多分私が過敏に反応してしまったのでしょう。
memekoさんだって私に、気にする価値ないわよ。とかキライな訳ないでしょっ!と言うでしょ?
ソレみたいなもんかな?と自分では思います。
memekoさんの主旨を、理解できてないのかもしれませんけど・・・。
あ、受け入れられないとか、そんなことは一切ありませんよ。

私は普段、人を助けたり手伝ったりってことがないからなぁ。
そんな自分こそ生涯愚か者だと思ってるけど、まぁ、これから誰かのタメになるのかもしんないし・・・
全てを自分に結びつけてコンプレックス感じるんです、きっと。多分。
なんか私って、とっても暗い人みたーい(笑) 実際はソコまで思いつめてません。もともと考え深いほうじゃないしー。こういう自分を認識しよう受け入れようと思ってますよ。
posted by leonat 2009/07/06 12:44 [ コメントを修正する ]

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