今日は、朝から東京へ。夕方に帰ってきた。湿度がとても高かったと思う。
帰りに、駅ビルの中をふらふら歩いていて、出入り口で、両手が荷物でふさがっていた女性を見かけたので、代わりにドアを開けてあげたらものすごく感謝された。ロンドンだったら、せいぜい「Cheers.」か「Thanks.」くらい。
次のバスまで時間があったので、バス停のベンチで独り物思いに耽っていたら、またその同じ女性が来た。現在の時間を聞かれたので答え、次のバスの時刻を聞かれたので答えた。やっぱり「ありがとう」を何度も言われた。
しばらくまたぼけっと考え事をしていたら、その女性が、ちょっと離れるので荷物を見ていてほしいと頼む。なので、帰ってくるまで見ててあげた。
そして、その女性が戻ってきたら、手に白い紙袋を持っていて、「食べなさい、食べなさいっ」とそれを私に差し出した。「あんたにみたいに優しい人はいないよっ、ほらっこれっ」と強く言われた。「何これ?いーよ別に、私何もしてないし。」と言いながら開けてみたら、鯛焼きだった。
…わぁ。(前言撤回でもいいですか、の意。)いただくことにした。私が食べている間、いろいろな話をしてくれたけれど、その女性の生い立ちや親類の話のようだったので、私には相槌しか打てなかった。鯛焼きをくれた理由は、「優しい子だったから」だそうだ。どう考えたって、その女性の方が「優しいこと」をしていると思う。
バス停で結局50分くらい待っていたのだけれど、考え事をしたり、人と話したり、目で車を追ったりしていた。
人との距離も、時間も、意外に短い。