きのうは、頭痛で書けなかった。明らかに練習のしすぎだった。同じ体勢でいると血のめぐりが悪くなるみたい。気をつけよう。
今日は、間違い探しのように、きのうと同じ良い天気だった。気温も10度くらいに上がった。夜はまだ寒いけれど…。春だ、春だ!
両方ともきのうの写真。でも今日もこんな感じだった。リビングルームにも日が差し込んでいた。こんなにいい天気だったら練習したくなるでしょ…。「公園に行きたくなるでしょ」というアイディアはあまり無い。…運動しなきゃ。
今日は、また練習。アンサンブルの曲たちと、ショパンバラードの1、3、4番。2番はまだ食わず嫌い…。
5時に、トライアウトクラスのため、学校へ行く。明るい。コートは着ていたけれど、マフラーはちょっと暑かった。次の次の日曜に、サマータイムに入る。そこから本格的な春なのだ。まだこれくらいで嬉しがってはいけない、と自制。
今日のトライアウトは、すごい人数だった。来週、コンチェルト・イグザムが始まるため。自分が受けたのはもう2年前。早いなぁ。
シューマン、ラフマニノフ、グリーグ、ラヴェル、プロコフィエフ、ラヴェル、ラヴェル。7人のうち、5人の伴奏者が同じ人。2年前の私の伴奏もしてくれた人。すごい…。ソリストたちもすごいけれど、まずそのアカンパニストに賛辞かも(笑)その間に、学部1年生も2人エチュードを弾いた。
みんな、必死。学生を見ていると自分が思い出されて、息がつまりそう(笑)どの人も個性が強くて、とても良かった。来週の試験期間は、できる限りたくさんの演奏を聴くつもり。聴いたり見たりしていると、何となく、ピアノの弾き方が分かってくる気がする。音楽はもちろんだけれど、指の使い方、和音のならし方、腕の使い方など、とにかく勉強になる。あと、オケ版の伴奏も聞き逃さない。アンサンブルとしてのバランスなども、研究、研究。
9時半ころ、家に着く。
明日は朝の9時からレッスン。う。
『サマータイム』
もうイギリスに7年近くらいいる友達に、「サマータイムっていつからだっけ?」と聞いたら、「え、まだでしょ、6月くらいじゃなかった?」と言う。聞いておいて何だけどちょっと疑わしかったので調べたら、もう来週だった。何回時計変えてるんですかアナタ…(笑)1年に2回ほどでは、忘れてしまうものかな。ちなみにアメリカはもうサマータイムに入ったらしい。春の訪れは、家中の時計を1時間早めることで、目視できる。
昼間、妹とスカイプ。今日は旦那さん(前から知っているのでちょっと違和感…)の誕生日だったらしく、彼もそこにいて、とても微笑ましい光景を見せてもらった。妹はたくさん料理を作って、最後にはケーキがあって、ろうそくに火をともすのももちろんちゃんとカメラで見れるので、一緒にハッピー・バースデイを歌って、ロンドンからお祝いした。うーん、何か良いなあ。
夕方ピアノを練習して、外出。6時にエンバンクメントでVnの友達と待ち合わせ。今日はロイヤル・フェスティバル・ホールでコンサートがある。
その前にレストランで食事をしたのだけれど、彼女にごちそうになった。モーツァルトとブラームスの伴奏のお礼だという。モーツァルトはともかく、ブラームスは心残りがある…。でも嬉しかった。
フェスティバル・ホールはテムズ川沿いにあって夜景が本当に綺麗。
エンバンクメント駅から橋を渡る。 奥にはセント・ポール大聖堂が。
そして渡りきったところにホールがある。見慣れた景色だけれど、日本に戻ったら見られないのか、と思う。でも、どの景色もその場所でしか見れないのは当然か…。
今日は、シェーンベルクの「浄夜」と、ツェムリンスキーの「抒情交響曲(Liric Symphony)」。
会場に入る前にスタッフにチケットを見せるのだけれど、何と、空席があるとのことで、たぶん2番目くらいに良い席と交換してくれた!8ポンドで買ったチケットなのに(笑)日本じゃちょっとありえないかな。
ということで、もっとも遠い後ろの壁の席から、こんなに近くに♪
「浄夜」が素晴らしかった。ストリングだけって、何か、全然響きが違う。不思議な雰囲気をかもし出していた。曲のせいかも。基になっている詩を読んでいたので、なおさら景色(背景)が頭に浮かんで、すっごく楽しんだ。この曲がライヴで聴けるなんてきっと滅多にないと思う。コンサート・マスター(イギリス英語ではリーダー)とヴィオラ、チェロのトップの音色がとても甘美で圧倒された。シェーンベルク、美しかったです。
「抒情~」は作曲家も含めまったく知識がなかったけれど、ソプラノとバリトンのシンガーがやっぱり良くて、構成も面白かった。でもドイツ語の歌詞がまったく理解不能で、それが悔やまれた(笑)それと、ホルンの一人が格段に良い音を出していて、かなりびっくりした。どこから鳴ってるんだろう、とステージを見回したほどの透き通る音。きゃー。
良いコンサートだった。エネルギーをたくさんもらった。
明日は、急遽頼まれた、チャイコフスキーのピアノコンチェルトの伴奏をする予定。ただの練習らしいので、一度きり。明日譜読みをする。元気が出て元に戻ったので、洪水後の掃除もちゃんとしたい…(笑)
10時前に起きて、焦りながら支度をしていたら、妹からスカイプで電話。その場にいる母や父とも少し話す。カメラがあったら一度に皆と会えるのになぁ。早く飛行機のチケットを取らなければ…。
11時に、ヴァイオリンの友達が家に来た。今日はブラームスのソナタの合わせ。
集中力がもう限界、っていうくらい、熱心にディテイルを。出だしの雰囲気を掴むのが本当に難しくて、アーティキュレーションの意味だのテンポだの、ああだこうだといろいろやってみて、最終的に、「気持ちを合わせれば雰囲気が出る」という何とも曖昧な結論になった。そうすると、うまくいったりする。でも、最初から曖昧にやっては絶対に作れなくて、右往左往する理由は、ここにあるのだと思う。どの箇所もほぼ隙間なくやった。
1時半には、くらくらして息切れしそうだった(喩)。2時に彼女は帰った。
その後すぐに、きのうからの計画通り、ブラームスのスコアを開く。実際に楽譜にしてみることにした。譜面の正式な書き方とかはどうでもいいから、とりあえず五線紙に音符を書き出してみよう、と。やっぱり1台じゃ全然間に合わなくて、あとから2台の譜面に。読みながら、奇声を発していたと思う。何ていうか、もう感激してしまって…。楽譜を買う時はいつも、ここにすべてが詰まっているんだな、と思う。この紙に印刷されたこの音符に、考えられないくらい膨大な量の作曲家の思考と苦悩とファンタジーが詰まっているんだ。
慣れないアルト記号などを読んだり、2台にするためにどのパートとどの音域を使うかで大分迷って、時間を費やす。まだC-Majorのテーマには程遠い…。そのテーマの後のことはさらに遠いので、あまり考えていない。でも諦めない。作業中、たまに「こんな大曲を、オケに入らない楽器で音を拾ってごめんなさい」と思うけれど、まあ何にも矛盾(コントラディクション)はある、と思って見ぬふり…。その代わり曲に対する愛情は同じくらい、ある。父が書いたという短い論文?を読んだ。参考になりました。ありがとう。
ネットで面白いグラフを見つけた。オケの各楽器の音域図。縦に楽器、横に音域で、それぞれ棒グラフになっている。ピアノが(グラフ内の)全音域をカヴァーしている唯一の楽器だった。そういえばそうだ…。当たり前のことでも、グラフとして目で見ると面白かった。
責任がないから楽しいんだ、きっと。
やめたのは夜の7時頃。さすがに頭を使いすぎて、本当にくらくらした。栄養補給!
またあした。
10時から活動。身支度を整えて、練習。2台ピアノの「MIDARE」をすっごく丁寧にさらう。あー、戻ってきた、やっと。4年前に弾いて、ほとんど手をつけなかったら弾けなくなっていたけれど、今日になってやっと感覚が戻ってきた。感覚を思い出すと、いきなり指がすらーっと動いたりする。不思議だなあ。どこにストックしていたんだろう。過去に読んだ時と音(響き)が違うぞ…、という箇所がいくつかあって、どうやら4年前には間違った音を弾いていたらしい。うわ、かなり恥ずかしい(笑)和音の構成内の音だと間違えてもあまり耳に残らないのだけれど、とにかく違うものは違う。ごめんなさい。曲様。そして相方様。今日のファッシネイトは2台、だった。
ブラームスのシンフォニーを聴いていると、自然に頭の中でそれぞれのパーツに分れていく。すごく立体的に聞こえるので、このパートとあのパートはプリモでー、セコンドには内声重視で弾いてー、という風に、2台ピアノに置き換えた場合の役割を、勝手に想像したり。これは…、自分のために、本当に楽譜に起こしてみた方がいいかも。今この感覚が活きているうちに。むふふ。需要はないと思うけれど。
あとは、アンサンブル曲の練習と、いろいろ。
6時に家を出て、学校でVnの友達と待ち合わせ。7時から9時まで部屋(小さいホール)があるらしい。
今日録音するのは、モーツァルトのVnコンチェルト5番1楽章。
レコーディングって、本当に大変。私じゃなくて、ソリストが…。一回録ると、次はもっとよくなるかもしれない、ミスはできれば入れたくない、部分だけで録り直せないからもう一回、とキリがなくなる。短い曲ならなお更。
普段私たちのやる音楽は、一回きりの本番があって、音楽という流動的なものをその場で提供することだけれど、録音となると、ちょっと違う。何度も弾いたからよくなるものでもないし、音楽が「慣れてしまう」こともある。何回も繰り返すのは、肉体的よりも精神的に難しい。そして、伴奏の悩みは、「ソリストがうまく行っている時に絶対にミスをしないこと」だ(笑)邪魔したらそれこそアウト…。もちろん実際多少はあるけれど、ソリストの音楽のバランスを崩すことはもっての他…。ということで、緊張した。いい経験だ。2人とも、「CD出す人ってすごいねー。」で終わった。
ピアノだけがとてもよく響いてしまう場所で、苦肉の策で、蓋を全て閉め、譜面台を上に乗せて、バランスを調整。手作り感満載。でも、録音を聞いたらすっごく良い効果が現われた。良かった。来週はブラームスを録るらしい。頑張ろう。
10時半ころ帰宅。実際時間は長くないのに、どっさり疲れてしまった。
一度でいいからヨガをやってみたいなぁ。
ソナタって、ピアノが「伴奏」とかではなくて、バックアップとか、ヴァイオリニストの音楽を増長してあげる役割がある、と再確認。彼女が言う。「ピアノって、音多いねぇ。ほら、あたしのなんて単旋律」。…(笑)楽器固有の特徴や良さがあるので、比べても仕方ないけれど、確かに多い。だから私はピアノが好きだ。
で、夜中にアメリカの友達とまた話してしまって、更新できず。やっぱり話すと楽しくて、切るに切れない。スカイプはもしや甘い毒では、と今頃気づく。(笑)
今日は、一日雨が降っていた。風も強い。気温も低い。最近は青空が続いていたし、気温があがったのでもうすぐ春かなー、と思っていたけれど、逆戻り。残念。youtubeで松任谷由実の「春よ、来い」、「やさしさに包まれたなら」、「ルージュの伝言」を聴いて、一人浮かれる。いい歌だなぁ。キキ。
午前中から4時頃までずっと練習。今日バラードがまた良くなった。自分でわかることが嬉しい。あとは、ちょっと休んでいたベートーヴェンのソナタも。バラードの1番も読む。
と、突然シンフォニーが聴きたくなって、iPodでブラームスの1番を聴く。ハイパー!カッコイイ…。で、ピアノで最終楽章を弾いてみる。あ、手が足りない。2台に編曲とかして弾きたいなぁ。きっといろんな意見が出るだろうけれど、パフォーマンスとしては悪くないかな、と思う。「あんなことやってるよ」で終わっていいのだと思う。最近、自分は怠けているな、と思った。どんな時でもフルに稼動しているアメリカの友達の話を聞くと、負けてられない、と思う。でも同時に現実も考えて、いつも「?」ばかり。でも、とにかく、下や過去を見るのではなくて、前に突き進まなければ。さて、どうしよう。
6時からのトライアウトクラスのため、学校へ。
私には関係がないけれど、今月は、毎年恒例のコンチェルト・イグザムがある。誰も戦ってないのに、何故か、ものすごいコンペティティブな雰囲気が学校に立ち込める時期。今日は4人のパスカル先生門下の卒業予定の学生が、ラフマニノフ2番、ラベル、グリーグ、ラベル、を弾いた。試験に挑むその姿勢が、とてもヘヴィだった。みんな素晴らしかった。今月のトライアウトクラスは、オールコンチェルトになると思う。楽しみ。そこに卒業生の入る隙と言えば…、今日は全員の伴奏者の譜めくりをしました(笑)
明日はレッスン。と、ヴァイオリンとの録音が夜にある。
『雨』
雨が好きだ。雪と同じくらい。家の中から見る大雨、透明な窓に不規則な形で流れる透明の水、梅雨の季節の湿気の混じった雨の匂い、夜の外灯やヘッドライトに浮かび上がる雨の粒、静かにしみ込んでいくであろう土が滲んだ山の雨、屋根に当たる雨の騒音、葉から絶え間なく墜ちる雫。すべてが私の目には綺麗に見える。大好きな人や友達と会う時に雨でも、嬉しい。まあその場合、晴れでも雷でも嬉しいか。
雨の時にいつも、頭をよぎる風景がある。自分は子供で、雨の中、傘も差さずに靴を手に持って裸足で帰路についていて、家の前の道路で傘を差した母が私のことを待っている。私は、泣いていたと思う。夢なのか本当にあったのか、ちょっと記憶が曖昧。どこでそれを見たのかが、わからない。…妄想だったかな?(笑)