近くにいた母に、「今クロスワードやってるんだけどー、『身を滅ぼしそうなもの』って、何かな?」と何気なく聞いた。
母「しゃっきん」
自分「いや、3文字で」
母「こむろてつや」
……気持ちは解りますけれども。正解は、「ばくち」だった。
すべてひらがなで書いたので、全問が終わったあと、母が言う。「じゃあそれを漢字に直そう」
自分「みんな簡単じゃん。小学生じゃあるまいし」
母「じゃあ、『ちみつ』」
自分「えっと…、ちみつのちって、あ、糸偏が付くか。はい、次は?」
母「じゃあねぇ…、『カカオ』」
自分「………………はいっ?!」
きのう、コンチェルトのためのオケとの初合わせがあった。本当に、初めての経験で、終わったあと頭が空っぽになった。自分(ピアノ)のソロのために大勢が一斉に演奏してくれていることに、音を通して、ただびっくりしてしまった。協奏曲って、こういうことか。途中で落ちたり、オケのいろんな音を聞くのに集中してしまって自分の演奏が疎かになって弾けなくて、リハーサル自体は全然ハッピーじゃなかったけれど、でも、すごかった。文字通り、いい勉強になった。本番まで、あと少し。
山や道の木々がどんどん紅く、黄色くなっていって、とても綺麗。ロンドンは秋という季節はほとんど無くて、木枯らしと共に葉は落ち、寒々とした枝はすでに冬…。でも、日本も少し寒くなったかも。
きのうはよく眠れなかったけれど、代わりにすごく面白い夢を見た。こういう夢は、初めてだ。わくわくした。先が気になった。(読みたい人はどうぞ…)
ある時、私の偏頭痛を永久に、私が死ぬまで消すことができるというキュア(Cure:治療法、解決策)があることを知り、それを受けに旅に出る、という話。でも実はそれが冥界(簡単に言うと地獄)にあるらしく、意を決して冥界へ…。
聖闘士(セイント)星矢というアニメの影響が強すぎるのだと思うけれど、その冥界は十一のセクションに分かれていて、そのキュアが受けられる場所は第二セクションだった。キュアは実際はただの注射だったのだけれど、もうそれが痛いの何の…。全身がしびれて、眩暈がして、意識を失った。麻酔ってあんな感じかなぁ。でもこれで一生頭痛がなくなるのだと思ったら、我慢ができた。
しかし、目が覚めてからが大変だった。またもやアニメと同じく、一度冥界に入ったら必ず最後の第十一セクションまでたどり着かなければならない、ということをのちに知ったのだった(笑)とても危険なので、キュアを受けた意味がなくなる(死ぬ)可能性もある。冥界にたどり着くより、冥界を抜け出る方がよっぽど大変だと思った。
第十一セクションに向かう途中のある日、死んだ人を土に埋めてあげたことがあって、別の日に道に迷ったら結局同じところに戻ってきていたのだけれど、その私の作った墓が発(あば)かれていて、怖い虫と変な気持ち悪いのでいっぱいに溢れていた。ある時は、途中の休憩所に立ち寄って、父、母、姉、妹がいてとてもうれしかったのだけれど、手を振ったあと、皆が煙になって消えてしまった。彼らが乗っていたと思われる青い車だけが空っぽに残っていた。歩いている途中も、キュアの副作用でぐらぐらしていた。
そしたら、けたたましく目覚ましが鳴る。ハーデスには会えなかった(笑)自分が冥界をちゃんと抜け出せたのか心配。続きが気になった。
めちゃくちゃ楽しかった。マグマがあったり、岩がごつごつしていたりすっごく暑かったりして、キアヌ・リーヴス主演の映画「コンスタンティン」の、彼が意識を飛ばした先の世界、に風景が近かった。
たぶん、夢の言いたいことは、何かを得るにはリスクがある、ということ。死ぬほど嫌な頭痛を抹消できても、最後まで生死は分からない、という…。って自分の夢に教訓を見つけるな。
でも、現実にそういう何かの方法があるなら、私は迷わず受ける。
エキサイティングな夢を見たあとは、エキサイティングなレッスンが待っている。7時に起きて、支度をして家を出た。車のボンネットに雪らしいものが積もっていた。朝はやっぱり寒い。
本番前の最後のレッスンだった。夢の内容同様、続きが気になった(笑)でも、今やるべきことはもう把握したし、パスカル先生も、本番前にどんなことをすればよいのかをたくさん教えてくださったので、自信を持って、「弾いてきます。」と言ってきた。
街中のニュースの看板に、"First October snow in 70 years."と書いてあった。逆に、10月に雪が降ることが前代未聞じゃなかったことに驚いた。前例があったのね。確かに、そんな寒さだ。
休んだり練習したりしていた。夕方6時半からのレッスンのため、学校へ向かう。
面白いレッスンをしていただいた。2楽章と3楽章を持っていって、音楽的な面で3楽章は不動のものになってきたけれど、2楽章はまだ遊びが足りない感じ。それと、「listening」と「hearing」の違いについても話し合って、それが興味深かった。listeningはcontrol、hearingはknowing。すごくよく解った。まだまだ最後まで勉強し続ける。
夜はインスタントラーメンを作って食べた。野菜に、ピーマンを間違って入れたけれど、普通の味だった。明日もレッスンで朝が早いので、寝る。朝はきっと寒いだろうな。でもあの清清しい空気が大好き。
しばらく連絡を取っていなかった台湾人の友達Pから、久しぶりに連絡があった。ロンドン生活の最初の2年間、一緒に住んでいた子。とうとう、日本に来たみたい。まだ詳しくは聞いていないけれど、たぶん日本語学校に行っていると思う。有言実行のカッコいい子だと思う。コンピュータの知識はほとんど彼女から教わったと言っても過言ではない。日本に帰ったら会えるかな。
そろそろ帰国の準備をしよう。
今日も肌にピリピリ刺すような寒さ。もう冬かも。
日本人のピアノの友達が、今週、完全帰国をするので、きのうの夜、パーティがあった。日本人もルーマニア人もイギリス人もギリシャ人も、みんな集まって、フェアウェル・パーティを彼女の家で。彼女は、私と一緒に入学して、一緒に卒業した人。とても楽しかったけれど、その子はこのロンドン留学中に一番よく話した日本人の子だったので、いなくなるのは大分寂しいと感じた。いろいろ話した。そしてワインもたくさん飲んだ(笑)
今日は、日中はずっと練習していて、夜ご飯を夕方に作った後、学校へ向かう。トライアウトクラスで、サンサーンスの一楽章を伴奏の子と弾いた。クラスにはいつも、パスカル先生門下15名ほどが小さな部屋に、ピアノを囲むように座っている。弾く前からすでに腕がしびれて、足が震えて、大変だった。音を聴くことに集中、集中…と暗示をかけて、何とか弾いたけれど、人前で弾くのが初めてだったので満足はもちろんできず。
人前に出るのは本当に怖い。教育実習も、本当に怖かった。全員の目が自分に向けられていることに、驚く。唯一、ドラムはドラムセットに隠れることができるので良かったけれど(というか、小さくて見えないと言われた)。
いつもいつも緊張して、喉もカラカラになって、手も足も震えてしびれる始末なので、あまり人前に出るような体質じゃないのだな、と今さら思った。でも、たとえば蛙はきっと、大海の存在を知ったら絶対に行ってみたいと思ったと思う。井戸なんかよりずっと広い大海に恐怖を覚えると思うけれど、それでも井戸の中にいる幸せよりも、大海を見てみたいという好奇心の方が強くなると思う。だから、自分も蛙なのだ(名前が似ているからと言って洒落ではない)。知らないということを知っていたら、そんなに悪くないと思う。
でも、井戸の中で威張ってるカエルがいたら、けっこう可愛いかも…(笑)
家に9時ころ着いて、作っておいた麻婆豆腐と野菜炒めとスープを温めて、食べた。豆腐とひき肉があると、自動的に麻婆豆腐を作るようにインプットされている。
もうそろそろ日本へ帰る支度を始めよう。明日もレッスンがある。
それで、何度か更新しようと思って文章を書いて、消えて、また立ち上げて書いて、消えて、がしばらく続いて、嫌になって更新しなかった。パソコンの寿命って、どれくらいだろう。まだ3年半くらいなのに。
今日は、ひたすメトロノームで練習していた。頭の中にオケの音を鳴らして…。