コーヒーを飲んで、作ったクッキーを食べて、蜂が花から蜜を集める様子をぼんやり眺めて。ちょっと休日っぽい。
でも、10時から、今日はずーーーーーーっとピアノを弾いていた。終わったのは夜の7時半くらい。ピアノが友達…。(笑)というか曲が多すぎて、どれも少しずつ。そろそろ新しいコンチェルトを真面目に始めたいと思って、シューマンを譜読みしたけれど、全然しっくり来なかった。やっぱりラヴェルかな…。ソロは、ドビュッシーやショパン、バッハを。あとは、アンサンブル曲8つ。
その間に、洗濯や、サンドイッチを作って食べたり、コーヒーを飲んでぽかーん、としたり。
午前中に、水を買いに出かけてふらふら歩いていたら、杖をついたイギリス人のおばあさんに声をかけられた。「Would you mind to give me a help...?」と。
荷物を持って、腕で支えてもらって、あっちまで歩きたい、と言うので、OKして、ゆっくり手を取って一緒に歩く。
その間おばあさんは、「I shouldn't do that.」「I must not do it again.」としきりに悲しそうに呟いていたので、「Just tell anyone if you need help. As you know no one can live without others. 」と返しておいた。私よりもずっと年配の方だし、彼女が悲しそうにそう言っていたのはそういう意味ではないことは解っていたけれど。雨が降らないといいね、と言ってお別れした。
最近、たくさんの知らない人と言葉を交わしている気がする。機会が多い。すごい。
明日は、また、外出の予定を入れなかった。友達がご飯を食べようと誘ってくれたけれど、日曜にしてもらった。何てわがままな。(笑)御免なさい。
日曜から立て続けにいろんなことが入っているので、家で過ごすひと時を楽しむ予定。と言っても、たぶんまたピアノと友達。キリがないけど、友達ならいっか♪
9時起床。たくさん寝た。
本を読んで、支度をして、買い物へ。
楽譜のコピーをしに行ったら、前に使っていた子が日本人だった(日本のパスポートをコピーしていた)。そのコピー機はおつりが出ない旧式のもので、取り出せないので、「30pあげるー。」と言ったら、「きゃー日本人の方ですか!?」と喜ばれた。その場ではすぐにさよならしたのだけれど、バスを待っている間に偶然その子に再会して、今度は、たくさん話した。彼女は英語を勉強していて、まだ来て3ヶ月らしい。そりゃ、「きゃー」ってなるかも。近くに住んでいるらしい。しかもフラットシェアは日本人6人なのだとか。この町にそんなに日本人がいたんだ。ちょっと嬉しかった。名前も聞かずに別れてしまった。たぶんまた会える気がする。
今日は一日家にいられるので、今のうちと思って、「徹底掃除」をまたすることに。しばらくして、玄関のチャイムが鳴る。「何かの修理かも」と直感があって、案の定、私くらいの大きさのタンクを抱えた人が、いた。この前ガスの修理をしてくれた人だった。上の階でかなり水の出が悪いらしく、タンクを備える、と言う。このフラットにはベースメントがあって、別名開かずの地下、なのだけれど、そこで作業をしなければいけない、ということだった。
第一声。「How is it going? your piano, better than before?」…(笑)
その後、掃除を続けていたけれど、水を止めるというので、やめて、練習に。
結局、工事が終わるまでずっと、ピアノを弾いていた。彼は最後、「I enjoyed your music very very much, thank you!」と言って帰っていった。こうして、結構人の前で弾いているのだな、と思った。こちらこそ耳に入れてくれてありがとう、だった。
あたりが大分汚れてしまったのだけれど、掃除前だし、何よりもその工事が、私のピアノの練習をいつも苦情もなしに辛抱強く聞いてくれている上の住人のためだと思うと、本当に、足りないくらい。お互い見えないけれど、ほんとうは、いろいろ、繋がっている。
掃除を再開して、床を磨いて、終了。ふー。夜になった。
夜10時ころに思い立ち、ソフト・クッキーを焼いた。
この写真…、どう見ても、漫画『ドラえもん』の「バイバイン」に出てくる栗まんじゅうだ!
今までで一番美味しくできました。
とても嫌な味のするものを夢の中で食べて、本当に気が滅入ってしまったので、布団に入ったまま、ネットでお菓子を検索…(笑)何を作ろうかなー♪と考えているうちに、時間。気分は直った。
支度をして、家を出る。
9時から学校でレッスンがあった。
ここ数週間、自分の演奏が目に見えて(耳に聞こえて)変わってきて、自分もびっくり。先生もびっくり。どうした、何があった、と騒がれたけれど、思い当たるものがその理由に該当するかは分からない。ただ、音楽と指と腕と頭が、遂に連動を始めたらしい。わーい。
来週のトライアウトクラスで弾くこと、とのご命令を受け、レッスン終了。緊張するだろうなぁ。
11時過ぎに、一度帰宅。サンドイッチを作って食べて、次はヴァイオリン伴奏の練習。
運よく、眠くもならず(笑)、5時に再び学校へ向かう。
6時からヴァイオリンの子と合わせ。主にルトスラフスキの「スビト」。まさに、一小節ずつくらいに解体して、わーわー言いながら、やった。変拍子の上にそのかみ合わせ(応答)がまた大げさすぎるほど難しくて、これから合わせをする時は、いつも必ず弾こう、と2人で決意した。とにかく、あまり時間がない。
他の曲も含め、3時間ほどのリハーサルで、家に着いたのは10時すぎ。
長い一日だったけれど、よく考えたら、地下鉄での移動に3時間半くらい使っていることになる。ナルニアが大分進んだ。
夜、父と新型インフルエンザについて、スカイプで3分くらい話した。イギリス国内の感染者は現在、32人。その猛威は私の周りには届いてないけれど…。私の見る限り、新聞でもネットでも、「感染の疑い」は公にならず、「confirmed」だけが取り上げられる。日本は、その報道のせいか、不安を煽っているように見える…。予防は大事だけれど確信のない混乱を招きそうだな、と日本のニュースを見ていて思った。その点こちらは事務的というか、人を脅かさない淡々とした伝え方だと思う。偏見かな?特有ののんびりさ、だろうか。
国外では、「豚インフルエンザswine flu」とという名称を使わない働きがあるのだとか。宗教観、根拠のなさが理由らしい。
9時起床。あらら。
支度をしてさっそく、洗濯物を持って徒歩15秒(近)のコイン・ランドリーへ行った。
洗濯と乾燥を待っているあいだ、その目の前の椅子で「ナルニア国ものがたり」の英語の本を読んで待っていたのだけれど、何か、すっごく外国っぽい感じがした。外国と言えばコイン・ランドリー、みたいな。実際は日本にもたくさんあるのに。インターナショナル・スチューデント・ハウスに住んでいた時も、コイン式の大型洗濯機があって使っていたけれど、部屋にすぐ戻れるので大した違和感はなかった。フラットに住んで、コイン・ランドリーに行ったのは初めて。雰囲気を楽しんだ。1時間ほど。
練習をしていたら、チャイムが鳴る。洗濯機の修理の人が来てくれた。はやーい。
タオル大きいの2枚、なべ2つ、ゴム手袋、クリーニング剤が欲しいなど、その彼からいろいろリクエストがあるので、その人の横について、はいはいと準備をする。
頑張れ、洗濯機。(笑)
横にいてじっと見ていたのだけれど、その間その人と雑談をしていた。話したことは…。
彼はケニアに生まれて、7歳の時にインドに移りボーディング・スクール(寄宿学校。彼はその単語を説明するのに「あー、スリーピング・スクール。」と言っていた。分かりやすいな・笑)に通い、11歳でイギリスに来て、もう40年くらい経った、と言っていた。ケニアでは家族では英語のみだけど、ハウス・キーパーなどサーヴァントに話すのはスワヒリ語、インドに移ってからはヒンディ語を習い、ギリギリで卒業したらしい。
「たまにケニアに帰るの?いずれは戻って生活したいと思う?」と聞いたら、「全然思わない。生まれたけれど、母国だと思えない。どうしてかな。」と言っていた。スワヒリ語も小さな時はとても流暢に話していたのに、今覚えているのは「ジャンボ(こんにちは)」と「ハバリ ガーニ(元気ですか)」くらいらしい。イギリスの血はないけれど、自分はもうイギリス人だと思う、とも。現に彼は永住権を取得しているし、まったく生活に問題はないとのこと。
母国って、生まれた場所ではなくて、生活している場所と時間、なのかな。それとも、家族がいる場所?
彼はいろんなものを、きっと、見た。そういう内容の話だった。
「ところで君はいくつ?」…来た。「今年27です」と言うと、「君きみ、嘘をついちゃいかん。」と怒られた。「その顔じゃバーにもどこにも行けないじゃないか、IDが必需品かぁ、何とまぁ可愛そうな娘よ」と相当の悲観もされた。失礼な(笑)
そして、そんなことを話しているうちに、故障の原因が分かる。排水用パイプ・内部のモーターに挟まっていたのは…。
私のヘアピンっ!!!しかも2本っ!!!きゃーあぁぁ…
「今度から洗う時はポケットを確認しなさい。」
…100%、私の責任だった。ということで、洗濯機は完全復活しました。
そして、片付ける間も、話す。「中国人や韓国人と間違えられたら、君は怒るのかい?」と聞かれて、「否定するだけです。」と答える。怒る場合って大体は、間違えられた国が好きじゃないか、日本人であることに相当の誇りを持っているかのどちらかなので、私はそうではありません、と。道で外国人に冷やかし気味に「ニーハオ」と言われたことがあって、「アニョハセヨ」と返したことを話したら、とても笑っていた。
1時間後に全て終了。
帰り際、彼は、「音楽を頑張りなさい。そして、せっかく身についた英語なのだから、日本に帰った後も決して忘れずに、勉強し続けなさい。」とアドバイスをくれた。最後に、私から習ったばかりの日本語、「サヨナラ。」を言って帰っていった。
短い時間だったのに、いろいろなことが頭に入った気がした。また洗濯機が故障しない限り、私がヘアピンに注意する限り、もう彼には会わないと思うけれど、本当にありがとう。
いろんな人が、たくさんの生き方の人が、この地球にはいるんだ。大勢の人に会えないことを嘆くのではなくて、一人でも会えたことを喜ぶ。ケニアに行かなくても、ケニアは近くなった、というか…。
ずっと間近で修理を見ていたので、洗濯機の仕組みも大体分かったし、今度排水できなくなったら一人で直せそう♪…しないけど。(笑)
2時半から練習再開。
6時からのトライアウトクラスに行き、夜9時前に帰宅。
明日は9時からレッスン。夕方6時から再び学校でヴァイオリンの合わせがある。
今日は、8時半に起きて1時間後に家を出た。友達の家に遊びに行って、夜9時前に帰宅。
たっっっくさん、話してきた。日本でのホリディの話や、結婚の話(この年齢と周りの状況によって自然に…笑)、音楽の話、家族の話、「共有」というネット・コミュニティの話、などなど…。お昼をごちそうになった。
思うことがたくさんあって、とても良い時間を過ごした。
彼女の家に行く前に、彼女と一緒にスーパーへ行ってお菓子を買ったら、レジの人に「Have a nice fun!」とにこやかに言われた。これからトーキング・パーティをすることがばれたらしい。(笑)
電車の移動で最近読んだ本は、
日本人の友達から借りた「ナルニア国ものがたり・ライオンと魔女」。とても簡単な日本語なのに、どこまでも美しくて、想像する色も鮮やかで、情景がとてもシンプルに的確に描写されている。翻訳が最高だった。その友達は、「映画は宗教色をぬぐおうと必死になっていて、全然ダメーっ!」と憤慨していた。映画は確か飛行機の中で見たことがあったけれど、読み終わって、確かにその通りと納得。おもしろかった。英語版も借りてあるので、これから英語を読む。本は、良いな。