と言っても、ロンドンはまだまだ寒い。最高気温は12℃程度…。
きのうは睡魔に勝てずに、寝てしまった。昼間、練習した後、友達のコンチェルト試験を聴くために学校へ。
聴いたのは、プロコフィエフと、ラヴェル。
プロコフィエフは、2楽章がハリー・ポッターみたいで、夢の中にいる感じ。それでも、本当に難しいけれど。私が入学したときから友達の、日本人の女の子。本当に素敵なピアニストだと思う。
ラヴェルは、同じ門下のアフリカ人の男の子。トライアウトクラスからその子のいろんな演奏を聴いてきたけれど、3年(その子は編入してきたので)でここまでimprove(一番良い訳は…「レベル・アップ」かな)するなんて、その子がとても努力家ですごいと思ったし、先生の力もあるのだなぁ、と感心していた。一緒に見ていた同じ門下として、力をもらった感じがした。
あとは、家に帰ってまた練習して、一日が終わり。夜はアメリカの友達とスカイプで、どんなに頑張っても、すべての人に公平で一日は24時間しかなくて、それでも上にはたくさんの人がいて、その時間でいかに早くレベルアップするのか、ということを話した。耳が痛いです…。続けている何かが、上達する可能性があるなら、自分なりにその速度と要領を掴まなければいけない。レベルアップを目指すなら、の話だけれど。こんなに続けてまだ模索中だけれど、試行錯誤して頑張りたいと思う。
朝、妹からスカイプで電話が入って、少し話す。引越しの手伝いだそうで、母もその場にいた。明日は姉が妹のところに行くのだとか。皆さんに手伝ってもらって、妹は幸せです。どこでもドアがあったら私も行けるのに!と思うけれど、あったら留学していない。
たったの3ヶ月ぶりだけれど、久しぶりに母の顔を見た気がした。距離は、時間を長く感じさせる。
今日もいい天気。
と、窓を開けていたら、鳥の声がよく聞こえてくる。今朝はだいぶ長い時間、じっくり観察していたと思う。パンの小さなカケラを置いて、どんな鳥が降りてくるか、窓にひじをついて、じっと、ぼーっと待つ。私の場合は目的なく待つけれど(=ヒマ)、野鳥観察の人とかは、意志を持って待つのだから、大変だ。
いろんな種類が来たので、写真を撮った。
羽の群青がとても綺麗な中型の鳥。 これは…、鶯色とオレンジの、駒鳥かな。
常連。 そして、巨大な鳩。
一度に4種類は楽しかった。一羽ずつ見ていると、性格が大体分かる。小さい鳥はものすごく警戒心が強くて、絶対に気を許さずに、一瞬にしてパンを持っていく。中型のは、一度見まわして、敵がいないと分かると、のんびり取りにくるけれど、持ち去る。鳩は、最初から何も気にせずにめがけて降りてきて、その場で食べる(笑)自分の体が大きいことをやっぱり解っているんだろうか。一番、意思疎通が可能そうなのは、中型の鳥だとも感じた。しないけど。
11時から1時まで練習。今日はこれだけ。最近弾きっぱなしだったし、日曜日なので。
1時半に外に出て、いろいろ。後は食材を少し買って、家に着いたのは6時ころ。今日は、今年初めて、春用のコートを着てみた。おぉ、寒くない。すごい。日差しが気持ちいい。マフラーもいらない。嬉しくて思わず笑顔になる。地球が動きましたよー!いやいや、いつも動いている。そろそろ衣替えをしなきゃ。
今日の夜は、インスタント…。
シンプルですが、美味しかったです。
間違って買っていた小麦粉が大量にあるので、そろそろ使いたいところ。何に使おうかな…。
土曜日なので、10時までしっかり待って、練習。また3時半まで…。春が来るから(というか日本はもう来てるかな)、エネルギーの容量が大きくなっているのだと勘違い。
リストの「タランテラ」を譜読みした後、メフィスト・ワルツを細かくやって、あとはベートーヴェンのトリオ。むー。
4時半に家を出て、6時に同じ門下の友達の家へ。勉強会。その子の家がゾーン4にあって、ロンドンの西から東へ大移動。それにしても、移動して分かるけれど、ロンドンって小さい。
たくさん頭を使ったあと、夕ご飯をごちそうになった。彼女のフラットメイトが中華料理を作ってくれて、一緒に食べた。日々、お腹がすいた時にそこに食べ物がある(作れる状況にある)というのは、本当に恵まれている、と皆で話していた。本当に感謝するべきことだと、思う。この前ケンタッキーに入った時に、少し悲しいことを見てしまったので、なおさら、そう思う。
ロンドンでは、いいことと同じくらい、つらいことや苦しい場面を見てきた。日本ではあまり見られない(少なくとも自分は見なかった)光景が多かった。どんなことも絶対に忘れない、と心に刻むようにしている。
たくさん話して、家に着いたのは11時半ころ。
今日も一日長かった。ふと気がついたけれど、コンタクトの使用時間は一日大体12~14時間と書いてある。朝ちゃんと起きると、それが守れないらしい。気をつけよう…。
『プレスト』
楽譜で、弾いていてすごく難しい場所のテンポ表示が「Presto(伊:急速に)」だと、すっごく焦ってしまうのはきっと私だけじゃない。ベートーヴェンのプレストにただ今、乱心中…(笑)
6時に一度目が覚めて、「あ、間違えた」と思ってまた寝て、8時起床。
バナナを食べてコーヒーを飲んで、9時半から練習。リストのメフィスト・ワルツを譜読み。一応、音出しは10時からと自分で決めているので、始めはppでやっていたのだけれど、冒頭はそれでも存在感充分…。
一度やったことがある曲だけど、今見ると、全然違う風に見える。もう何年も触っていなかったけれど、弾いているうちに手が動き始めた。人間って、どういう構造なんだろう。あとは、ベートーヴェンのトリオ。このトリオは、一言で言うと、「ずっしり」。
3時までずっと弾いていた。今日はたくさん弾いても頭痛がないように、休み休み肩や腕を動かしながら。
気分転換のため、3時ころ外に出た。風は冷たいけれど、日差しがとても暖かい。マフラーがいらなかった。日本へ帰る時のお土産を買いに、近くのハイ・ストリート(日本語だと、何かな。こちらでは、「ハイ・ストリート」とつくと、大体ショップが立ち並んでいる道のことなんだけれど…)へ歩いて行った。
子供服とかベビー用品に目が留まるようになった。今まではそんなこと、一度もなかった。もちろん、知らない自分の未来のためではなく、親しい人の、もうすぐ生まれる赤ちゃんを想定して。こんなの着たら可愛いだろうな、このおもちゃで遊んでほしいな、とまだ見ぬうちに妄想スイッチ、オン(笑)
家に戻って、新しい気持ちで5時から8時までまた練習。今日はピアノにフォーリンだった。トリオは、今が一番苦しい時期みたい。読むのに絶対的な時間が必要で、近道がない。今のうちに土台をしっかり作っておかなきゃ。いろんな練習方法を試して、音作りと平行して、とにかく早く早く譜読みを終わらせるように思いながらやっている。
夜、上の階からギターの練習する音が聞こえてきた。初めて。自分ばかりいつも音を出しているのでかなり恐縮だったけれど、上の階の人も音楽をやるんだ、と思って少し安心した。もっと大きい音で弾いていいですよー!とお願いしたいくらい…。いつもごめんなさい、そしてありがとうございます。でも直接お礼を言ったことは一度もないし、実は会ったことも一回程しかない。引っ越す前にはきちんと挨拶をしてから出よう。
ふわっと春を垣間見た。今日、とてもとても嬉しいことがあった。
今日は、10時から、4時間半を費やしてフラットの掃除をした。今までにないほど没頭した。でも一人だとこの広さが限界かな、と思った。バスルームは髪の毛一つ残さず、床の隅も塵一つ残さず、古い歯ブラシを使ってキッチンの油汚れをすべて取り、床を念入りに水拭きして、靴箱も、ごみ箱も、掃除に使ったほうきとちりとりと掃除機も綺麗にして、挙句は、庭にある排水溝に詰まった落ち葉などもゴム手袋をして全て取り除き、とにかく狂ったように、手の届く範囲は完璧に掃除した。審査員になったつもりで目を光らせた(笑)ピカピカのフラットが、自分が作った作品のように嬉しくて、住むのをやめたいくらいだった。達成感って、自分で作れるらしい。
自己分析すると、この原動力は、明らかにこのフラットの古さと対応の甚だ悪い不動産に対する意地のようなものだと思う。絶対に自分の汚点を残さないぞ、みたいな、自己満足を提示したいという欲望の塊がメラメラと燃え上がった(笑)イジワルだなあと自分でも思うけれど、それが、裏切らない、覆せない誠意なんだ、と勝手にプラス解釈。とりあえず気持ちよく日々を過ごせるから、いいかな。
ところで、ハウスキーパーとか向いてるかも…(笑)
あとは、4時から8時ころまで練習。ベートーヴェンのトリオがよく進んだ。日本でのリハの日が決まって、焦っているだけなのだけれど。せっかく合わせるのだから、個人的な問題無しに音楽を作りたい。今日はいろいろ、熱意の多い一日だった。明日はすっごく冷めてる予感。
今日は、シンプルだったけど一日が長い気がした。8時が早起きとは恥ずかしくて言えないけれど(笑)、「早起きは三文の徳」という言葉があって、意味は「早起きするといいことがある」と書いてあった。でも今日は、「早起きすると、遅い人よりいいことがある時間が増える」という意味なんだと分かった。
『ヒューチャー・テラー』
フラットメイトと夜、話していて、「私たちがこのフラットを出る前に、少なくともあと2つはめちゃくちゃシリアスな問題が発生するなり。」と私が未来を予測した(=当てずっぽう)。その直後、ガスがゼロ・プレッシャでまた止まってしまって、直すために洗濯機の後ろにあるバルブを調節している時に、隙間に補強でついている板が壁からはずれて、ボロボロと崩れた。フラットメイトが、「予言当たったね…」と悲観的に言うので、「こんなものは問題にもなりません」と返した。
私の予測では、床に穴が開くとか、天井がこぼれ落ちてくるとか、家電製品全滅とか、庭から巨大生物が滝登りのように出現するとか、外のパイプが外れて庭が大洪水とか、幽霊が出るとか、水道管が壊れて断水とか、送電不可能とか、そういうことだ。今までの経験から行くと、それくらい起こっても、驚くだろうけれど全然不思議ではない。そういう予兆は今は見当たらないけれど、自分のこのアイディアが、何か怖いな。
どれだけ問題が起こっても、ここロンドンで、自宅でピアノが弾けるということと比べると、大抵のことは乗り越えられる。先週はピンポイント洪水でちょっと折れかかったけれど…(笑)どうか予言が外れますように。